Illustratorでのデータ作成について、今日は基本から見ていきましょう。音声付き解説動画はYoutubeからご覧ください。
ファイルの新規作成
Illustratorを立ち上げたら色んなサイズのテンプレート選択画面と、『プリセットの詳細』という各項目を手入力する画面が右に出てくると思います。まずは、作る物が何だったか後からわかる様にファイル名をつけておきましょう。
様々なデータを扱う場合は先頭に日付を入れるクセをつけておくと後からデータの整理や検索をするときに便利です。
Adobeのテンプレート
Adobeがデフォルトで用意してくれているテンプレートがいくつか存在します。それぞれサイズやカラーモード、そのほかの設定が全て完了しているのでとても便利ですね。
モバイル・Web・フィルムとビデオ
PCやスマホなどの画面を通して見るデータ。例えはYoutubeのサムネイルやiphoneのホーム画面のサイズなどが入っています。
印刷・アートトイラスト
印刷物用のデータ。例えば名刺・ポスター・ハガキなどが入っています。
デジファブ用のデータではなく、その他のものも作ってみたい!という方で設定がわからない時はテンプレートを頼ってみても良いと思います。この後に説明するカラーモードなどもテンプレですでに設定されています。
RGBとCMYK
Adobeのテンプレートを見て気づいた方もいらっしゃるのではないでしょうか。カラーモードという部分が各テンプレートによって切り替わっています。
作成するものによってこのカラーモードを先に指定しておく事は必須です。後から設定し直すのは面倒な場合がありますので、新規ファイル立ち上げの時には必ずチェック&設定しましょう。
プリセットの詳細の設定順番が前後しますが、大切な内容なのでまずはこちらを先に説明いたします。
RGB
光の三原則であるR(赤)・G(緑)・B(青)によって表現されるカラーのことです。我々が今見ているPCの画面には色が存在していると思います。この色の表現は赤・緑・青の光の組み合わせで表現されています。
基本的に、レーザーカッター用のデータを作成するのはこのRGBのモードになりますので、ファイルの新規立ち上げの際には必ずチェックしておきましょう
CMYK
C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(ブラック)で表現されるカラーのことです。このモードは主に印刷物を作成するときに使用します。UVプリンターを用いて印刷をするときはこのCMYKのモードを使用することになります。(印刷する機械なので)
それぞれのカラーモードで表現できるカラーの範囲が異なり、RGBの方が表現できるカラーの幅が広いです。例えば『ポスターを作ろう!』という時、本来は印刷物なのでCMYKでファイルの立ち上げを行う必要がありますが、誤ってRGBでデータ作成をしたとします。
データが全て完成してそのまま印刷会社に入稿→印刷を行なった場合、手元に届いたポスターはおそらくイメージしていたものよりも暗い印象になります。
これは、RGBで立ち上げて見ていたデータの色の範囲をCMYKのカラーでは表現できない為、実際に印刷するときに印刷機器は『私にはCMYKの範囲しか表現できません・・・!』となり、CMYKで表現できる幅の色に置き換えて印刷をおこなうためです。
画面上で見ていたデータよりも違った印象の印刷物で残念・・・。という結末にならないように、印刷物を作る際はまず初めにCMYKで立ち上げを行いましょう。
アートボードのサイズ設定
アートボードのサイズ設定は作りたいデザインのサイズを入力すればOKです。レーザー加工用のデータを作るときは、カットラインの配置がしやすいように実際に購入した素材の大きさで立ち上げておくと良いです。
単位は主にミリメートルとピクセルを使うことが多いと思います。
ミリメートル
これに関しては名前のまんまですね。レーザーカッター用のデータを作る際におすすめなのは、自分が加工する素材のサイズを入れる事です。
例えばA4サイズのアクリルを買って、その中からいくつかパーツを切り出すのであればここの数値は297mm×210mmになります。
ピクセル
Web上のデータのサイズ指定をするときはこのピクセルという単位を使用します。ピクセルとは簡単にいうとは小さな四角のことで、縦横それぞれ何個ピクセルが並んでいるのかで大きさを示します。
例えば、有名なものだとYoutube動画サムネイルは1280px×720px。横に1280個のピクセル、縦に720個のピクセルがありますよと言う意味です。
ですがこのピクセル、1ピクセルあたりの大きさは決まっておりません。『画面で見た時にピクセルの数がが縦◯個、横◯個あります』というあくまで画面の中でのピクセルの数の話をしているだけなんです。
現実世界にこのデータを持ってくるとして、このピクセルをミリメートル・センチメートルに置き換えるには今度は解像度(ppi)の指定が必要になってきます。
ppi:pxel per inch つまり、1インチ(25.4mm)のなかにピクセルがいくつあるのかという数値を指定してあげることで1ピクセルの大きさが決まってきます。
このあたりは長くなるのでまた別記事で解説しますね。
覚えておくとすれば、このppiも作るものによって指定すべき数値があるということ。これを間違えると、すごく画質の悪い印刷物ができたり、逆に解像度が高くてデータサイズが大きい!→Webで表示するのに時間がかかる!といった現象が起きます。
ざっくり説明するならば
- 印刷物を作りたい:300ppi
- Web上のデータ(iphoneのホーム画面/インスタの投稿/HPの画像):72ppi
ひとまずこれだけ把握できていれば十分です。ちなみにレーザーカットのデータを作る時は正直どちらで作ろうが関係ないのですが、私の場合作成したデータを作例として書き出したり、サンプルの資料として印刷する可能性も無くはないので、念の為300ppiでデータ作成をいつもしております。
裁ち落とし
こちらも印刷物を作成する時に設定するものです。レーザーカッター・UVプリンターを使用する際には使わないので0mmに全て指定してください。
印刷物をつくる時に作ったデータが白背景+内側にデザインでは無く、全面ベタ塗りのデータを印刷する。といった時にはこの裁ち落とし設定は大事なポイントになります。
以下の記事が大変わかりやすいので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
これで新規のIllustratorファイルの作成は完了です。お疲れ様でした!
文章で読むととてもわかりにくかったり、踏み込んでいてわからないという方もいると思います。『レーザーカッターのデータを作りたいだけなんだ。』という方は以下を覚えておくだけでOK
レーザー加工用のデータを作る時のポイントは
- カラーモード:RGB
- ファイルの名前:自分がわかるようにつければOK
- サイズ指定はミリメートル
- 縦横は素材の長さを入れておくと良い
これなら簡単な気がしますね?💡
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