レーザーカッターの種類としくみ

レーザーカッターとは

デジタルファブリケーションを行う方々の中にもレーザーカッターを使用した事がある、もしくは自宅に導入しているという方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

デジタルデータをもとに創造物を制作する技術、デジタルファブリケーション。レーザーカッターはそのデジファブという文化の中でも大きく役立ってきた素晴らしい機械と言えます。

レーザーカッターに限らずですがデジファブの素晴らしいところは、個人レベルでも物作りにトライできるところにあります💡

全国のFab施設にも多数導入されていますので、ぜひレーザーについて知って皆さんも物作りにトライしてみましょう💡

 
kina
私も初めはレーザーカッターって何!?というところからのスタートでした。
Fab施設に初めて行くのも緊張しましたが、まずは知ってトライしてみるのが大切!

レーザーカッターの仕組み

レーザーの焦点を素材に合わせる様子

皆さん、小学生の時に理科の実験で虫眼鏡で太陽光を集めて紙を燃やす実験をしたことはありますか?レーザーカッターの仕組みも同じものです。太陽光がレーザーになったと思ってください。

レーザーのエネルギーをレンズで1点に集ることで高出力なエネルギーにし、素材を切っていきます。
種類によってそのエネルギーの発生のさせ方や仕組みは異なります。

次にレーザーカッターの種類について見ていきましょう。

レーザーカッターの種類

さて、レーザーカッターと一括りに言っても実は種類があります。一般的には3種に分けられてそれぞれに特徴があります。

私たちの様な一般の人が立ち寄って加工できる、Fab施設やホームセンターにおいてある物などは基本的にはCO2レーザーという種類になります。

メーカーで言うとユニバーサル社やtrotec社のCO2レーザーは、施設でもよく見かける代表的な物になるかと思います。ちなみにkinaがメインで使用しているのはtrotec社のレーザーカッターSpeedy 360になります。
それでは、それぞれについて特徴をみていきましょう!

CO2レーザー

炭酸ガスレーザーとも呼ばれているようですね。繰り返しになりますが、こちらが一般の方が使うレーザーの中では一番普及している種類になります。

物作りを個人でやる方で施設に行ってレーザー加工を扱う場合や、卓上のレーザーカッターなどの導入をお考えの方もこちらのCO2レーザーを使うことになので、ざっくり目を通しておくと良いでしょう💡

  • CO2ガスに放電を加える。これにより、レーザー光エネルギーが増幅する。
  • 両側に設置されているミラーの間でレーザー光が反射を繰り返していく。
  • 増幅したレーザー光をレンズまで誘導し、1点に集める。
  • 1点に集めて素材に照射することで、素材をカットすることができる。

このような仕組みです。

さらに詳しくCO2レーザーを分けると擦れば、発振機(心臓部)はスラブ式レーザー発振器orガラス製レーザー発振管に分けることができます。

上記の説明はスラブ式の発振機で、大型のレーザーカッターなどは主にこちらのスラブ式になり、家庭用のレーザーカッターはガラス製のものになります。

比較するとやはりスラブ式の方がレーザー光の安定性が高く、ラスターデータの彫刻などを行う際は特にその性能の差が顕著に現れます。繊細な写真彫刻などを行う際はスラブ式のレーザーカッターを使用することをお勧めいたします。


そして、残念ながら金属はこちらのCO2レーザーでは切ることはできません。
しかし、いずれにせよ個人で加工するのに金属が切れる種類のレーザーが使用できる施設は基本的には存在しておりませんないので、潔く諦めて他の金属加工方法を調べるが吉だと思われます。

又、カットした際に有毒なガスが出ることから塩化ビニル(PVC)系の素材についても加工は不可能です。

今後もこちらのCO2レーザーについては、使用できる素材・そうでない素材なども含め記事を書いていきますのでよろしくお願いします!

ファイバーレーザー

CO2レーザーの次に一般的に普及しているのがこのタイプになります。近年になってから普及し始めた機械になります。

  • レーザーの発信機は存在しない。半導体レーザーから反射ミラー直繋ぎ。
  • 細長い光ファイバーケーブルの中でレーザー光増幅。
  • そのままファイバーケーブルをつたってレンズまでレーザー光が到達する。

こんな感じの仕組みです。なので、CO2レーザーで使っていた他の部品や発信機も要らず、消耗品が少ないことが特徴です。

CO2レーザーとの違いは

  • 金属加工可能(ただし極薄のものに限る)。
  • CO2レーザーで加工できる広範囲の素材等には対応していない
  • 導入のコストが1.5~2倍。
  • ランニングコストは安い。

極薄の金属が切れたり彫刻はできる新しい部類のレーザーカッターですが、その他の加工に関しては基本的に不可です。動かし続けていける環境がある場合はランニングコストも安くていいですが、そうではない場合、導入は難しい機械かと個人的には感じます。

YAGレーザー

もっとも触れる機会が限られるであろうレーザーカッターがこちらのYAGレーザーです。

CO2レーザーが電子とCO2ガスでレーザー光を増幅させ、ミラーの反射を使ってレンズまで光を届けているのに対し、こちらのYAGレーザーはYAG結晶でレーザー光を増幅させ、それを光ファイバーでレンズまで到達させます。

  • レーザーの発信機の中でYAG結晶でレーザー光を増幅させる。
  • その増幅したレーザー光を解き放つ。
  • 光ファイバーでレーザー光をレンズまで誘導する。

この様な仕組みです。そうですよね、難しいですよね。私も難しいです。

個人的な感想を述べますと、触れる機会はまずないので覚える必要性はないかなというのと、とても高出力な機械であるという事す。

まとめ

初回から少し難しい話をしてしまいましたが、皆さんが触れる・覚える・使うになるのは間違いなくCO2レーザーであるということ。そして金属以外の素材に対して幅広く使えるのもものCO2レーザーである。と言うことです。(※その他に切れない素材もあるので、又後日まとめます)

今日はレーザー加工を始める前のお話、レーザーについてでした。機械は人間よりも時に繊細なので、仕組みについての理解やメンテナンスについてもしっかり学んでいきましょう。